「…誰だ、俺たちが知ってるユイじゃねえな」

「ふっ…誰だ、と。そんなものお前たちが一番よく分かっているだろう?
ユイの中に眠るもう一人のユイ、つまりは私もユイだと言う事だ。

そして、もう一人…奴は手に負えないがユイの中に居る。
それを決して表に出さぬように。
無論、奴なら黒石とも互角かそれ以上の戦力にはなるであろうが」

「……その続きは」

待って、誰なの…私はここにいるのに、
どうしてシキは私と会話してるの。

ううん、どうして私じゃ無い私がシキと話しているの。

ここにいる私は一体、誰なの…?

「奴は私よりも強く本来のユイよりも脆い。
表に出て黒石と争えばどうなるかは分かるな?」

「つまり…本来のユイさんごと破滅する代わりに
私たちが望んでいる終わりも迎える、と言いたいのですね。」