はっとして目を覚ました時には
目の前に映るシキ達のビックリしたような顔と私を心配しているような眼差しが向けられていた。

「ど、どうしたの…?」

「覚えてないのか、お前
今自分が何を言ってたか…」

「えっと…その、ごめん…」

私何か変なことでも言ったのかな?

この数分、数秒の出来事の記憶が全くない…何してたっけ、えっと…

そうだ!!

「ねえ、ミル達は!?」

さっきまで私と話してたミルも
戦っていたヘヴンも居なくなってる。

「あいつらは先にリンベル国へ逃げるようにして去ってった

俺らも後を追いかける」

私の手を掴んでシキは先々と歩く。

その姿を見て、やっぱりあの二人はニヤニヤ笑ってるし…。

…シキはどうしてこんなにも積極的になったんだろう?

最初の頃は私のことをあんなにも嫌がっていたというのに…。

それに私だって、まさかこんな人に恋をするなんて思ってなかった。

…元の世界に戻ったらどうなるんだろう、この恋もこの世界もこの人達も。

私には分からないし先を見る事も

きっと出来ないと思うから…。

せめて…皆だけでも無事で居てほしい。

会えなくてもいい、これが夢でも…

…なんて

そんな都合のいい話なんて無いよね。

どんな運命でも結末でも受け止めて受け入れるしか無いんだから。