「あ、ああ…あ、…や、やめて…」
ぺたんとその場に座り込む私は動かなくなったレイさんの体に触れて何度も揺する。
まだ、まだ何も解決してない。
2人の間にできた壁は修復する事すら出来ないって言うの?
ねえ、レイさん…あなたは最後になんて言おうとしたの。
私の顔を見て、笑ったレイさんは何を考えていたの…?
そんなことをレイさんに投げかけても返事なんて返ってこないのに。
「…ユイさん、もう…」
ルイまでもがそんな事を言う。
「どうして!?どうしてルイはそんな事言うの…レイさんは、あなたの父親は
カナさんのせいで殺されたんだよ!?」
「…分かってます!!
ユイさん、私だって分かってるんです」
そう言ったルイの顔は涙で濡れていた。
私の横に腰を下ろして自分の父親の体に触れる手は、震えていた。
怒り、悲しみ、憎悪…
色んなものがルイの中で駆け巡ってるはずだ。
それでもルイは
「お父さん…今まで…ありがとう」
ちゃんと前に進もうとしてるんだ。
自分の父親の死を受け止めて、前に進むために頑張ろうとしてるんだ。
でも、でも…私は許せないよ…。
人の命を奪うのは間違ってる。
ロイもレイさんも私のせいで死んでしまった。
私が死ねばよかったのに…私さえ、この世界に来なければ
皆、みんな…
「…死ぬことなんて無かったのに…」
『主よ、我を保て。
さもなければ主はーー…』
そんな声が聞こえた気がしたけど、今の私には届かなった。
「貴方達だけは、許さない…」
「ふん、別に許しを乞う事もせぬわ」
ああ、世界はどうしてこんなにも滑稽なんだろう。
滑稽なのは私か、世界か…
…どちらとも、滑稽なんだ。

