それも束の間、姿は見えないけれど何本もの矢が私たち目掛けて飛んでくる。
それを二人は剣で斬ったり受け止めたり…何分かして矢も全く飛んでこなくなった頃、ロイが言った。
「ユイちゃん、逃げよう。ここは危ない」
いつの間にか子猫のような姿になったロイが真剣に私を見つめていた。
「シキ、ここは彼の言う通り逃げましょう」
ルイさんもロイに同意して……
って、え?
ロイの声は私にしか…聞こえないはずじゃ?
頭上に?マークを浮かべながら私はルイさんを見ると悪戯に微笑んで「後で話します」とだけ短く言って
私を姫抱きしてその場を飛ぶようにして去った。
ロイはシキに首根っこを掴まれながら同じように去った。

