いつか私だってここから消えなければいけない。

それが今か、もっと後かの違い。

…もう、会えなくなるんだ。
その時が来るまで私は彼らを護って笑わせてやるんだ。

そのために、ロイに呼ばれて来たのかもしれない。
それなのに何もしないで死んだり元の世界に戻るなんてしたくない。

ユエの作ってくれたご飯を四人で囲みながら笑って、食べた。

皆とこうして笑って食事をするのは旅立つ前以来な気がする。

各自でパンなどを頬張って無言で終わった日もあったな。

ユルシア村の村長さんがくれたパンは甘しょっぱくて美味しかった。

…ユエの作ってくれたご飯も、優しくて暖かい味がする。

お母さんの料理みたい。

人を思って作ったご飯。
それが一番美味しい事を私は知ってる。

ユエもきっと、皆の為を思って作ってくれたに違いない。

「ありがとう…」

小さく呟いた声は勿論、誰にも聞こえることなく闇夜に消えていく。

…いつか伝えればいいな。

そう、心に秘めながら
私はユエの料理を頬張り続けた。