魔界姫志ーまかいきしー



「貴方は何者ですか?」

先程の男の子とは違う声が聞こえる。

小さく私に微笑んで尋ねているけど、眼が笑ってない。

「…人にモノを尋ねるならまずは自分から、でしょう?」

「コイツ…っ!!」

シキと呼ばれた男の子は再び剣に手を掛けた。

でも、私は間違ったことは言ってないはず。
殺される意味がわからない。

「シキ。この方の言う通りですよ。

すみません、私はルイと申します。コイツはシキ。

見ての通り騎士、と言った所ですかね…さっきの奴等を追って此処まで来たら貴女が居たのです」

今度は本当に私に笑顔を向けてくれた。

綺麗な笑顔…こりゃ女の人は惚れるな。
私は惚れたりしないけどね。