魔界姫志ーまかいきしー



逸らせないほどに二人の顔が綺麗だったから。

剣を向けている男の子はきっと口が悪い方。

シキくん…だったかな?
きっと、そう。

すごく綺麗な金髪に長さは邪魔にならないほどのショートカット。

瞳は紅く燃え上がるようなルビー色。

見た目だけでもわかる、きっとこの人の剣の腕前はすごい。

私なんて躊躇もなく殺せる。

「こら、シキ。怖がってるじゃないですか」

「あ゙?男のくせにこれぐらいで震えんなクソが。」

「シキ!!」

「…っち。わーったよ」

怒られた彼は詰まらなさそうに剣を仕舞った。

それにしても、なぜ私が男呼ばわりされないとダメなんだろうか。

…あ。
そう言えばフード深く被ってるし座ってるような形だから男と間違ったのかな?