その声に思わず私もロイも木影に身を寄せて隠れた。
一人…ううん、二人はいる。
直感でそう思った。
「全く…逃がすなんてシキもシキですよ」
先程とは違う声が新たに聞こえた。
…優しそうな声色。
さっきの人は凄く怒りが篭ってたけどこの人は呆れが篭ってる。
この人達は、誰なんだろう…。
「出てきやがれ!!」
そう、大声で叫ぶ彼に私は怖くてビクッと肩が揺れた。
ロイも不味そうな顔をしている。
意を決して出ようとしたとき…。
「…っち。ここで終わりだ!!」
いかにも柄が悪そうな男数人が木影から一斉に出てきて彼らに向けて剣を振るった。

