「いくつに見えます?」
市村と名乗った彼はおっとりと首を傾げて笑った。そして清潔感のある黒に近いブラウンの前髪を緩くかき上げて見せた。
どう見せれば自分がどう見えるか、絶対に分かっている人のすることだと思った、穏やかだが牙を持っている、なんてすごくわかりやすい二面性なのだろうと感嘆の思いでいっぱいだ。
私は少し考えてから、25くらいですかね、と言うと、それはまた今度お教えしますよ、とはぐらかされた。図星だったのならそう言って欲しいが、そう言える立場ではない。
「カドクラさんは面白いですねえ」
「いや、…トンチキですみません」
「いーえ、別に構いませんよ」
クスクスと穏やかに声を出して笑う市村さん。
よく見てみるとすごく髪の毛がサラサラそうだった、思わず手を伸ばして感触を確かめてやろうかとすら思った。
でもこれが原因で落とされても困るので止めておいた。もしこれが原因だったら自分の痴漢未遂(痴女になるのかもしれない)行為で落とされたことになるので非常に不名誉だと思ったから。
もう質問はよろしいですか?と問われたので、反射的にはい、と頷いてしまった。
本当は何者なんですかと意味のわからない問いを投げたい衝動に駆られたがそれは抑えておくことにした。もし不採用でもここに来ればこの人に会えるのだ、その時に聞けばいい。
「じゃあ、面接の結果は後日別のものからお電話にてお話させていただきますので」
「はい、ありがとうございました」
立ち上がり、頭を下げる。
一応手は膝の辺りに揃えて丁寧にお辞儀をするが、内心は緊張からの解放感でいっぱいだった。最後まで気を抜いてはいけない、と思っていた割には微妙に気を抜いた状況だったようにも思う、気のせいだと思いたい。
コンビニの外まで何故か見送られて、私はそのコンビニを後にした。
入試を受けた時も合格通知が来るまでの時間はやけに長く感じるものだ。解放感と、結果に対する不安と。色々入り混じって訳がわからなくなりそうだ。
とりあえず今日は早く寝てしまおう、そう思った。
市村と名乗った彼はおっとりと首を傾げて笑った。そして清潔感のある黒に近いブラウンの前髪を緩くかき上げて見せた。
どう見せれば自分がどう見えるか、絶対に分かっている人のすることだと思った、穏やかだが牙を持っている、なんてすごくわかりやすい二面性なのだろうと感嘆の思いでいっぱいだ。
私は少し考えてから、25くらいですかね、と言うと、それはまた今度お教えしますよ、とはぐらかされた。図星だったのならそう言って欲しいが、そう言える立場ではない。
「カドクラさんは面白いですねえ」
「いや、…トンチキですみません」
「いーえ、別に構いませんよ」
クスクスと穏やかに声を出して笑う市村さん。
よく見てみるとすごく髪の毛がサラサラそうだった、思わず手を伸ばして感触を確かめてやろうかとすら思った。
でもこれが原因で落とされても困るので止めておいた。もしこれが原因だったら自分の痴漢未遂(痴女になるのかもしれない)行為で落とされたことになるので非常に不名誉だと思ったから。
もう質問はよろしいですか?と問われたので、反射的にはい、と頷いてしまった。
本当は何者なんですかと意味のわからない問いを投げたい衝動に駆られたがそれは抑えておくことにした。もし不採用でもここに来ればこの人に会えるのだ、その時に聞けばいい。
「じゃあ、面接の結果は後日別のものからお電話にてお話させていただきますので」
「はい、ありがとうございました」
立ち上がり、頭を下げる。
一応手は膝の辺りに揃えて丁寧にお辞儀をするが、内心は緊張からの解放感でいっぱいだった。最後まで気を抜いてはいけない、と思っていた割には微妙に気を抜いた状況だったようにも思う、気のせいだと思いたい。
コンビニの外まで何故か見送られて、私はそのコンビニを後にした。
入試を受けた時も合格通知が来るまでの時間はやけに長く感じるものだ。解放感と、結果に対する不安と。色々入り混じって訳がわからなくなりそうだ。
とりあえず今日は早く寝てしまおう、そう思った。

