「はあ…」

「いつものことだ。
 あんま気にすんな。」




貶してるようにも聞こえるが
こいつなりに励ましているんだろう。





「それより、俺のおかげで
 遅刻せずに済んだんだ。
 なんかおごれよ。」




一瞬『はあ?』と思ったが
榎本の言うことはごもっともだ。


あの時榎本が連れ出してくれなきゃ
もっと面倒なことに
なっていたかもしれない。




それに、助けられたのは
今回が初めてじゃない。

小学生のときだって
中学生のときだって
面倒ごとに巻き込まれ続ける俺を
助けてくれたのはコイツだ。






「わーったよ。
 飲み物でも買ってくるわ。」

「コーヒーな」

「へいへい」