目のない絵描きと少女



思わず息を飲んだ。

世の女性達が羨みそうなほど白く透明感がある肌、袖口から見える腕は細く華奢だ。
髪も近くでみると艶々で私のくせ毛なんかよりもよっぽど触り心地が良さそうだ。

つい見とれしまう。彼から目を離せない。
まるでおとぎ話の白雪姫だ。
我ながら男の子をお姫様に例えるなんて失礼だと思ったがそれが一番しっくりくる。

「近くにあるイスに座ってくれていいよ。」
近くにあったイスに腰掛ける。

「僕は森本悠希。君は?」

「私は松井千奈津って言います。高校一年生です。」

「なら僕の一つ下だね。もし僕が学校に行っていれば高校二年生だからね。」

もしかして何か重い病気なのだろうか。
気にはなるが初対面の人にいきなり聞くのは失礼過ぎるだろう。

話題を探すため辺りを見回すと彼の手にあるスケッチブックに目がいく。
ずいぶんと使っているようで残りのページが少なそうだ。

「いつも絵を?」

「そうだね、毎日退屈だからずっと絵を描いているよ。よかったら見る?」

そう言われスケッチブックを受け取る。

「あまり人に見せられるほどの絵じゃないけどね…」

また思わず息を飲んだ

どの絵も風景画なのだがこの感動を私の知ってる言葉では言い表せられない。

幻想的でそしてどこか切なげで…