放課後になった。

「美歌ー。一緒に帰ろうぜー」

「うんー」

私達は帰路についた。風が吹き、奎のサラサラな髪が揺れる。

「あのね、奎……」

「ん?」

「相談っていうのはね…」

「うん。いってみ?」

「あのね…好きな人ができたの」

「えっ……………そっ……か」

奎は目を見開いて驚いて、すぐに悲しそうな表情をした。

どうしてそんな表情をするの?

気になったけど、私は話を進めた。

「うん。それでね、その人、彼女がいて……」

「え?彼女がいるやつを好きになったの?」

奎はすごく驚いてる。そりゃあそうだよね。諦めたほうがいいに決まってる。

「うん……叶わないってわかってるけど…でも、諦められなくて…」

そこで家に着いてしまった。

「ついたな。続き、中入ってから話そ」

「うん」

鍵を開け、リビングへと移動した。