でも誰も相談相手がいないのは、ちょっと寂しい。

かといって友達には言いづらい。

「どーしよー……」

私は一人悩みながら廊下をさまよっていた。

「みーかー」

「ん?」

振り向くとそこにいたのは、幼馴染みの森田奎。

奎とは、生まれた時からの知り合いらしい。

存在を知ったのは小5の時。

それまで家族で他県に住んでいた。

「どーしたの?」

「今日もお前んち寄るからー」

「わかったー」

奎は両親が共働きで家にいないことが多く、こっちに来てからは、私の家によく来ていた。

「あ、そうだ」

「なに?」

奎は幼馴染みで優しいし、今までも何度か本音で相談することが多かった。

「今日、ちょっと相談ある!」

「んー、わかった」