とりあえず、奎に報告しないと。

またいつもの場所かな。

あ、いた。

「奎ー!」

「んー?おー!美歌!どーだった?」

上から手を振る奎。

いつもの場所とは、屋上のさらに上の、ハシゴで登れるところ。

「うんとね、ありがとう、今は気持ちだけ受け取っとく。って言われた」

「マジ!?それって脈ありじゃん!」

え?どこが?

完全にふられてると思うんだけど。

なんだかよくわからないというような表情でいると、

「だってさ、『今は』ってことは、この後は気持ち以外も受け取ってくれるってことだろ?」

「え、そーゆーことなの?」

「そーゆーことだろ!」

なんだか妙に引っかかるけど。

まぁそーゆーことにしとこうかな。

なんだかモヤモヤは残るけど。

「まぁ、その時にはなんか言ってくるんじゃないか?」

「そうだね」

「おう」