『ほら、後ろ乗れよ』
って言って渡してきたのは、ヘルメット…ではなく、自分の鞄。
「え、なんで?」
『だって俺が前に乗るのに、俺鞄持ったままじゃ運転できねえもん。籠ついてないし。』
「じゃあどうしてそんな自転車乗ってるのよ…籠くらい付けてもらいなさいよ…」
そう、富永翔が乗れって言ってきたのはバイクではなく、自転車だった。
まあ当たり前よね。まだ中学生だし。
外見は厳ついし、ちゃらちゃらしてるからそういうグループにもう入ってるのかと思ったけど、違うのね。安心。
「ねえ、どれくらいかかるの?」
『んー、30分くらいかな?』
「え、30分も自転車?」
『うん、まあそういう事だな!』
嘘でしょ...勘弁してよ...
「私、ほんとに重いわよ?」
『あー、大丈夫大丈夫。俺そういうの慣れてるから!』
「あらそ。ならいいんだけど」
なんてのらりくらり、30分かけて着いたのは…
海。
