君がいてくれたから





「どういうつもり?」


私は私なりにきつく睨んだつもりだった。


でもこいつは、


『え、それで睨んでるつもりなの?お前もっと怖いやつかと思ってたよ』


なんて言い出す。


ほんとにこいつ何者なの…?


「で、あたしをどうしたいわけ?」


もう帰れないことなんて分かっているから呑気にそんなことを尋ねてみた。


『えーっとね、俺のとっておきの場所!』

「どうして自分のとっておきの場所に私なんかを連れていくのよ…意味が分からないわ。もっと大切な人を連れていきなさいよ。」


自分でも正論を言ったと思った。


しかし彼は悲しい顔をしてこちらを見る。


いつもは悪魔の目で見てくるくせに、今の目はなに…


私のペースが乱されるわ…




なんて考えていると…


『ほら、佳奈行くよ!』


さっきまでの悲しい目はなかったかのように明るく振り舞うこいつ。


「しかもなんか、何気に佳奈とか呼び捨てされてるし…」


「あんなに悲しい目をされたら、私だって断れないわよ…」


仕方なく今日はついて行くことにした。




これを蓮が見ていて、2年付き合ってきた中で1番の大喧嘩になるとは佳奈は考えてもみなかった。