沖田の去った方を見ていると、土方が華蓮の腰に下げている刀に目をやっていることに気がついた





「ほぅ………なかなか良さそうなものを手に入れたじゃねえか」





そう言う土方は笑っているように見えた





「みなさんのより小ぶりなものを頂きました…………その、女だって見破られてしまって…………」





報告すると、みるみる土方の顔が曇る





「すみません…………」





華蓮は全力で男らしく振る舞っているつもりだが、女だと思われることが不思議だった





「私、男装が下手みたいで………」





もう、苦笑いをするしかない








──ポンポン





気づけば土方の手が、華蓮の頭に乗っていた





「ちげぇよ、それだけお前が女らしいってことだろ
気にするどころか、むしろ喜べ」





「───……っ」





これは本当に土方の言葉だろうか





驚いて、斜め上にある土方の顔を見つめた






視線がぶつかり、顔が熱くなるのがわかる






──何、このカンジ?






この、胸の中がぎゅぅって苦しくなるのはなぜなのだろうか






それが何なのかわかる前に土方が華蓮から目を反らした





「中、入るぞ」





きびすを返した土方の後ろ姿は夕日に照らされて、赤く、キラキラと輝いていて





自分でもわからない気持ちをかかえたまま、華蓮は土方に続いて屯所に入った