沖田は片手に団子を持ちながら二人に手を振る
「やっと来ましたね~
一君ならわかると思ってました」
まさか、わざとここまで黙って来たのか───華蓮は沖田のイタズラ精神に呆れた
「なるほど、外出したがっていたのは、ここに来るためか」
斎藤のつっこむところもなんだかおかしいが、華蓮はこの前の授業で先生が言っていたことを思い出す
──沖田総司は甘いもの好きで有名だったんですよ
特に金平糖は大好物だとか───
歴史好き、それも幕末が大好きな先生であったから、マニアックなことまで頭に入っていた
「せめて、一言声かけてくださいよ……」
沖田は華蓮の心配などよそに、ひたすら団子を食べていたのだろう
「はは、すみません」
笑ってスルーされる
「二人とも、食べますか?」
次にはこんな呑気なことを言われ、ますます呆れてしまった
「早く帰らないと土方さんに怒られますよ!」
華蓮と斎藤が来ても少しも慌てる様子のない沖田
「大丈夫ですよ、蓮さんと一君が一緒なら、きっと土方さんも許してくれます」
甘味所にいるのがよほど嬉しいのか、いつにも増して嬉しそうだった
