「わ、わかりました」
「よし、新八、審判を頼む」
「………いいけどよ、怪我させたら土方さんが怖いぜ?」
永倉は華蓮のことを心配してくれているようだった
「大丈夫だ、手抜きくらい心得ている」
なんだか、完全にナメられているとなると、少しばかり華蓮にも闘争心が出てくる
女だからとか、刀を握ったことがないからとか、そんなの関係ない
もし、実践でこんな状況であったとしたらやられるわけにはいかない────
華蓮は空手をやっているだけあって、集中力、精神力はその辺の男たちよりは立派なものであった
やるからには、全力で───華蓮は心に誓った
「始めっ!!」
永倉の合図で華蓮と斎藤は互いに竹刀を向け睨み合う
手を抜いているとはいえど、斎藤からはものすごい気迫が見えた
その全身から────殺気というものだろうか?
恐ろしいものを感じていた