神風の如く





「そんなことが、本当にあるんですか…………」



普段は冷静な山南もこればかりは普通でいられないのだろう



「なんか、急に蓮が遠くへ行っちまったみてぇだな」



永倉も目をパチクリさせている



「私もここまで摩訶不思議な力だとは思っていなかったので驚いています

ただ、主張するための手助けとなる力が欲しかっただけなので……


ですが、私の力も全てを解決できるわけではないでしょう

そのためにはもっと違う何か、歴史を大きく変えるための一手が必要です」



どうしてだ、と疑問の声をあげる藤堂



「私の力が知られれば、それを狙い新撰組を襲う奴らが出てきます
だからどうかご内密に………


そして、厄介なのは幕府ではなく長州と会津です
この相対する立場の人たちを納得させるのには骨が折れそうですね

双方にそれなりの言い分がありますし、何より私が望む未来に確実性、また将来性がなくては決定打になりません」



「お前の話を聞いていて、それは俺も思ったことだ

確かにお前の言うことは一理あるが、簡単に進められることじゃねぇ

何か、手立てはあるのか?」



さすがというかなんというか、こういう時でもいつでも関係なく、土方は思ったことをハッキリと言う


話を聞き入れる柔軟性と、それを踏まえて自分の考えを新たにすることの方が難しいはずだ



「ないわけではないです……

ですが、この手のことは下手な小細工よりは堂々と話し合いに持ち込んだ方がいい気もしてます」



坂本龍馬──彼を頼れば長州と薩摩はどうにかなるかもしれない



だが、会津はこちら側で説き伏せねばならないだろう



「……そうだな、戦いにもつれ込んでもどうにもならねぇ


ただ、お前の思う手札を集めるために、俺たちはまだ戦う必要があるってことか」



「……っ」



土方は全てわかっている



華蓮はそれが嬉しいようで、悔しかった