神風の如く





「水を差すようで悪いんだが、蓮の力っていったい何なんだ!?」



原田が頭をかきながら言う



土方と共に四国屋に向かい、後から駆けつけ裏口を固めた原田は華蓮の力をよく知らない



「えーっと、ですね……
私もまだわからないことが多いんですけど、確実なのは神様の力、ということですかね?」



『かっ、かみさま!?』



仲良し三人組の声が揃う



「今で言う仏様と同じような存在です
小雪さん……時を司る神様が言うには私の使う風は時に盾となり、戦うための手先となり、癒やしにもなるそうですよ


やってみないとわかりませんけど、風の防壁は恐らく剣も弓も銃弾も通さないし、風の攻撃は殺傷行為をしません
そして、癒やしの風は全てのものを癒せると思います
死んだ者は無理そうですけど…

あ、私自身にも効かないようですね」



華蓮は斬られた右肩にしっかりと傷があるのを確認した



紛れもなく池田屋の時に斬られたものだ



それに対して、頭を少しだけ斬られた藤堂の傷はすっかり治っている



「それから、神の力ならもっと応用をきかせれば違うことにも……」



華蓮は真っ白な短冊型の紙を取り出し、そこにある想いを込めた



それを一番遠くにいる斎藤と井上に渡す



「お二人共、それを持って私の聞こえないように何かお話して頂けませんか?」



斎藤と井上は半信半疑ながらもこそこそと話し出す



華蓮は口元を見ないように後ろを向いた



「ふふ、今日の夕餉は斎藤さんの大好きな豆腐ですか……いいですね」



「なっ………」



幹部は口をあんぐりと開けて、特に斎藤と井上はどうして華蓮がその話を知っていたのかと頭に疑問符を浮かべている



「つまり、願いをこめたその白い紙、白札は式神と同じ役割をするってことですね…

神様ってすごい、こんなことまでできるんですか……」



納得しているのは華蓮だけで、土方たちは全くついてこれていない



「おい、詳しく説明してくれ」



「あ、すみません、土方さん……
今私はあの紙に話を聞きたいと……つまり盗み聞きをしたいと願いました

そしてそれを持って話をしていた斎藤さんと井上さんの話は風を伝って私に筒抜けだったわけです

恐らく私が願いを込めた紙は式神──私の想いに答えるモノとなるみたいです」



「それが、神の、お前の力か?」



「まだ使い慣れてませんけど、そうみたいですね」



超能力どころではない



神通力?



正直華蓮自身にも計り知れない力だった