──うむ、そなたの覚悟見届けた──




しばらくして、返事が返ってきた




──我が名は風の神ウェオロス、そなたに私の力を授けよう


代償はそなたの存在、与えるのは神の力


風の神ウェオロスと湊華蓮
ここに契約を結ぶ──







──パァァァ



華蓮は青色の光に包まれる





──ウェオロス、ありがとう──



風の神の気配が消えていくのを感じ、華蓮は最後に呟いた











 
「うぉぉぉぉ!」



目を開けると藩士が斬りかかってくるところだった



「………っ」




──風よ、私たちを守って──…




そう願った瞬間、華蓮と藩士の間に、そして藤堂と藩士の間に風の防壁ができた




風は時には盾に、時には手先に、時には癒やしとなる



小雪の言葉を思い出していた




「なっ、なんだ!?」




──彼らを殺さないように、気絶させて──…



──ゴンッ




今度は藩士三人が風に運ばれるようにしてぶつかり合い、その場に倒れた







「れ、蓮っ!?
どうなってるんだ!?」



駆け寄る藤堂は華蓮の姿に驚く



華蓮の周りには風が吹いていて、瞳は群青色になっていたからだ



「お前っ、目の色、が………」



華蓮はその言いかけた言葉と藤堂の表情で自分がどうなっているのか予想がついた




「説明は後だよっ
それより沖田さんが……」



ん────?



風は癒やしとなる………



──お願い、沖田さんを癒やして──…