そのために────
──力が欲しい、彼らを守り、歴史を変える力が──
悲劇で終わりにしないために
武力行使なんかで終わらせないために
「メルラータ、私に力を下さい」
言い終わるとメルラータはニッコリと笑っていた
「わかりました、あなたならそう言うだろうと思って用意してきてあります
これから言う私の話をよく聞いて」
「はい」
華蓮自身、自分の中に眠る力がどんなものなのか知らない
「あなたの持つ力は
風の力、なのです」
──風?
「あなたは風の神の力の一部を持って生まれました
風は時にはあなたを守り、あなたの手先となって戦い、あなたに癒やしの力を与える
風の神からこれを預かって来ました」
メルラータがそう言って取り出したのは丸くて青い塊
華蓮はそれを不思議そうにそっと受け取る
それは青く綺麗に光輝いていた
「それを飲み込みなさい
そうすればあなたの体にある風の神の力の封印が解かれます」
華蓮は黙って頷いた
「後は華蓮さん次第です
前にも言いましたが、私はあなたの味方です
だから前を向いて、あなたの思うままに生きて下さい」
「はい、ありがとうございました
……また、会えますよね?」
華蓮にとってメルラータはこの時代での道標
会えなくなるのは心細い
「ええ、きっと、またどこかで…」
メルラータが消えてもまだ時は止まったままだった
──小雪さんの贈り物だね
華蓮は心から感謝した
