──ダダダダ
華蓮は土方と別れ、近藤や沖田と共に池田屋に向かっていた
夜に町をうろつく人はほとんどいないが、見つからないように裏路地を通る
そして、足の速い男たちになんとかついていってはいるものの、いくら運動神経のいい華蓮でも疲れていた
「大丈夫ですか?」
隣を走る沖田は息を乱す気配すらない
「大丈夫、です、池田屋なら、もう少し、ですし………」
何より、今日はへばってなんてられない
ここにはいつも助けてくれる土方はいないのだ
自分の力で近藤を、沖田をみんなを無事に屯所に帰したい
その一心だった
「お、おい、これはまさか」
池田屋に着いた近藤隊は離れたところから池田屋の様子をうかがっていた
店の主人は予約以外の客を断っているし、店の戸を用心深く閉めている
「ええ、近藤さんが思っている通り、こっちが本命でしょうね」
沖田はさらりと言った
「し、しかし11人では……
伝令が行ってるはずだ、歳たちが来るのを待とう」
──────だが
数刻待っても土方たちは現れなかった
池田屋と四国屋では距離がある
もう少しかかってもおかしくないのだ
「近藤さん、どうします?
このままだと逃げられちゃいますよ」
「総司の言うとおりかもしれねぇ
ここで逃げられたらまずい」
沖田も永倉もやる気満々だ
「うむ、仕方ない
みな、くれぐれも気をつけるように!」
近藤の一言で踏み込むことが決定した
華蓮は止める暇もなかった
