その華蓮の真剣な表情に、沖田だけでなく、古株全員が何かあると悟る
──はっ、いけない
「その……私、不安なので……
一応一番隊所属ですし」
ははっと誤魔化した
「なんだ、そんなことですか
でも珍しいですねぇ、蓮さんがそんなことを言うなんて
危うく土方さんに殺されるかと思いましたよ」
華蓮のごまかしと沖田の一言によって、その場は笑いに包まれた
「総司、終わったら覚悟しとけ」
ただし、土方以外は、だ
沖田が無理をして戦いに行くことくらいは目に見えている
だから止めはしない
しかし、いざとなったときに沖田を守る誰かがいなくてはならない
──それが私だ
間もなく日が暮れて、夜が訪れようとしていた
──華蓮の様子がおかしい
それには気づいていた
だが、本人はそれを言いたくないようだし、無理に聞く気はなかった
それでも、華蓮が一人一人に言い始めた時、予想は確実になった
──華蓮はこれから起こることを知っている
古株の幹部全員が思ったことだろう
ただ、華蓮が何も言わない以上どうすることもできないため、自分の役目を果たすことが最優先だ
「華蓮、無理だけはするなよ
そんなに力まなくても、俺たちは簡単にはやられねぇ
お前が一番よく知ってるだろ?」
土方は華蓮と二人になった隙に抱きしめた
「はい……死なないで下さいね」
史実では無事だと知りながら、願わずにはいられなかった
実際、華蓮の方が本命に行くのに
「お前もな、そっちが本命だったらすぐに駆けつける」
「はいっ」
夕日が沈む
地平線が赤く、空は暗くなっていた
そして、触れるだけのキス
華蓮はみんなが無事であるように願った
