華蓮は小雪を見つめ、次の言葉を待つ



変に緊張して喉がゴクリと鳴った



「あなたにはある力があります」



「力…………?」



いきなりファンタジーなことを言われて戸惑う



「そう、あなたはある力の一部を受け継いで生まれました

私があなたをここへ呼んだ理由の一つがそれです」



確かにただの人間が歴史を大きく変えることなんてできないだろう


華蓮は妙に冷静で、納得していた



「しかし、その力はまだ覚醒していません

もし、あなたに覚悟ができたならすぐに私を呼んで下さい

その力を開放しましょう」



まだ頭の中で整理できなかったが、とりあえず華蓮は頷いた



「今日のところはお別れです

忘れないで、私はあなたの味方
いつでも見守っています」



小雪はそう言って微笑むと、スッと消えた




──朝がくる












目覚めるといつもと変わらない朝だった



夢での出来事を思い出してみる



──そもそも神様が私の味方って…



とんでもなく贅沢な気持ちになる



「ある力、か………」



自分に計り知れない力があると知ってしまうと途端に恐ろしく思えてしまう



それは果たして新撰組を救える力なのか



この世界の未来をよりよく変えられる力なのか