神風の如く





「そして私はこの時代の人々が不憫でならなかった

新撰組はもちろん、長州も幕府も会津も……坂本龍馬も」



──坂本さん…………?



小雪は神様だ



いちいち人の名前を覚えていることに驚いた



「そうしてある答えにたどり着きました

それが、あなたをこの時代に連れてくることだったのです

自分勝手と思われても仕方のないことです
事実、私は神失格……
自分の考えだけで、時の歯車を狂わせてしまったのだから」



「神様も、そんなことを思うんですか…………」



振り回された被害者のはずなのに真っ先に出た言葉がこれだ



とても怒る気になどなれない



だって─────



「でも、小雪さん、ありがとうございます

私はあなたのおかげで、自分を掴むことができました
ちょっと人よりやらなければいけないことが多いだけで私は小雪さんを責めたりしません」



小雪だって散々悩んだ結果なのだろう



「何より私は新撰組に………土方さんに会うことができました」



それは普通では叶わないこと



何億分の一どころではない



限りなくゼロに近い確立の奇跡だ




「私はこの運命を受け入れます」



この目で見て、この耳で聞いて、この二本足で踏ん張ると決めた



神様がどうとか関係ない



これは華蓮が自分で決めた道なのだ




「強く……なりましたね」



ただ一言、小雪はそっと呟く



嬉しそうな、でも泣きそうな顔をして




「最後に伝えておかなければならないことがあります」



──何だろう?



もう十分、自分のいる状況には驚いている



これ以上おかしなことが起こるとは思えないのだが────