神風の如く






刃物が自分の首にあるなんて、未来では考えられない





本当にとんでもない所に来てしまった、と心底嫌になった






こんなことを考えられる余裕があるのも、土方が昨日の男たちとは違うと華蓮の体が言っているからだった





土方が華蓮を本当に殺す気で刀を抜いたわけではないことが伝わってきたのだ






だからあえて自分の疑問を正直にぶつけてみることにしたのである















静かな部屋に華蓮の声が響く───







「わからないのです
自分でも信じられないようなことがあって、話した方がよいのか、いけないのか……
話してまで私が生きていていいのか


私はどうするのがよいのでしょうか?」






未来から来た、と言えば、利用されて歴史を変えてしまうかもしれない





そんなことをすれば、未来にいるべき人が消えたり、本来存在しなかった人が産まれてくることになるかもしれない





そうまでして、自分が生きていいのかわからなかった





こういうとき、思い知らされる





華蓮は自分で大事なことを決められないことを─────










たかが身の上話でここまで言う者も珍しいのだろう




土方も沖田も驚き黙ってしまった





「……話してくれないか、大丈夫、悪いようにはしない

君の背負っているものを少し分けるだけだと思ってくれれば、それでいい」





先ほど土方がとった行動に驚いていた姿からは想像できないくらい、大きくて暖かい言葉に救われた





これが、局長の器───というものか





近藤の一言で華蓮は決意した






「……わかりました、お話します」