神風の如く





軽い気持ちで勝手に歴史を変えて、気に入らなかったら知らない、というわけにはいかない



ましてや、この決断には何千人、何万人の命がかかっていると言っても過言ではないのだ



そして華蓮は自分のいた世界を捨てる、という勇気もまだない




「……簡単にあります、とは言えないですね」



今の華蓮には重すぎる責任だった



「そうでしょう、だから私は歴史を変えてはならないと申し上げたのです」



「それで、新撰組のみんなに後悔のない最期にしろと?
そんなの無茶苦茶ですっ!!」



さぞ当たり前かのように言う小雪に少し腹が立った



「人が死ぬときに思うことなんてその人にしかわからないんです!

私がこの時代に来たことで、みんなに何かしら影響してる………
だったら私が来ない方がむしろよかったかもしれないじゃないですか!!」



思わず口にしてしまっていた



ずっと考えていたことを………



言ってから小雪を傷つけてしまったと気づく



「っ………ごめんなさい
今のはただの八つ当たりです……」



──神様なのに





「いいえ、それでいいんです
むしろ私に怒らない方が心配になりますよ」



驚くことに正面から慈愛に満ちた声がした



「あなたがそういうふうに考えるだろうとわかっていてここに連れてきたんです」



「えっ……」



「初めてあなたを見たとき、どうしてこんなにも自分、というものがないのだろうと思いました」



──図星だ



今、考えてみるとよくわかる



華蓮は本当に自分がなかったのだ



言われたことをただひたすらやるだけ



ずっと、そうだった