さて、そろそろ、と言われ土方の部屋に急いだ
「失礼します、土方さん、沖田です」
沖田は襖に近づき、中に声をかける
「総司か、入れ」
沖田に続き華蓮も失礼します、と言って入った
顔をあげると土方と見知らぬ男が一人
教科書で見たことのある顔に似ている
この人は────────
「君が昨日、歳たちに保護された子か!
俺の名は近藤勇、ここ壬生浪士組の局長だよ」
そう、後の新撰組で局長になる男
ニカッとした笑い方は爽快かつ豪快で、とても好印象だった
「近藤さん……何正体の知れねえ小娘に名乗ってんだよ」
「え?あぁ、いいじゃないか
とても長州の間者には見えない」
対象的に土方は、眉間に皺をよせ、華蓮を睨んでいた
顔立ちは整っていて、かっこいい類には入ると思うが、これでは台無しにもほどがある
「ったく………副長の土方歳三だ
で、お前は何者で、どこから来た?」
………………
──どうしよう、未来から来たなんて言っても信じてもらえるはずがない
かと言って、何も言わないでいれば、土方は迷わず刀を抜きそうだった
どう答えるべきか、少し考えた