「し…………ん…み」
────?
今、どこからか声がした気がした
「新撰組も大したことねぇなあ!」
近づくにつれてハッキリと聞こえる声
それはさっきいた部屋から少し離れた場所からした
この店だと、あまり客の入らない方の建物だ
休憩しようと思い、歩いていたが、任務を思い出し、そっと近づく
「俺たちが新撰組だと名乗って斬ってもすぐに信じやがる
相当評判悪いからなぁ」
その新撰組の評判を落としてるのはコイツらだ
華蓮はギュッと拳を握りしめる
「このまま行けば、屯所を襲撃して俺たちが乗っ取れるだろ」
「はっ、違えねぇ
偽者も捕らえられないんだからなっ」
──この人たちだ
今の一言で確実になった
新撰組を名乗り、屯所襲撃を企てているのはこの浪人たちだ
僅かな隙間から覗き、人数を把握する
──10人程度、か
華蓮が顔を遠ざけたとき
──スパンッ
「誰だっ!?」
突然、中にいた男のうちの一人が襖を開けた
それを合図に全員が華蓮を睨み付ける
──気づかれた!!!!!
「おい、女
てめぇ、どっから来やがった!?」
「う……うちはたまたま通りかかっただけどすえ?」
「嘘だな、ここは芸子が入らないようになっている」
カチャリ、と音を立てて目の前の男たちが刀を抜いた
男たちは華蓮を囲むように立った
──これじゃ、逃げられない……
華蓮はジリジリと追い詰められていった
