神風の如く






夢から覚めると、何か変わったこともなくいつもと同じ朝だった




隣を見ても土方はいない




「はぁ……」




これも最近はいつものことだ




今日も朝から仕事で駆けずり回っているのだろう




それを華蓮もわかっているから、会いたい、なんて我が儘は言わない




仕事の邪魔になりたくはなかった




体を起こし、着替えて刀を腰に差す




部屋を出て、沖田を探した




少し歩くと廊下で話す土方と沖田の声が聞こえた




「本当に今日から隊務をさせるつもりですか!?」




沖田が土方に怒っている




恐らく話題は華蓮だ




華蓮はとっさに身を隠した





「あぁ、巡察に連れて行け」




「あんな状態じゃ無理に決まってるでしょう!!」




「そんなこと言ってたら他の隊士に示しがつかねぇ
ただでさえ俺と同室なんだ!!」




──やめて




華蓮は耳を塞ぎたくなるが、話が気になってできなかった




「どうして、土方さんはっ……」










「やめて下さいっ!!!」



我慢ができなかった




二人は驚いて華蓮を見る








土方は目に隈ができている



彼の仕事を増やしてしまった…………




普段あまり怒らない沖田が土方に向かって…………



本当は二人ともあんなに仲がいいのに








─────全部、私のせいだ



「ごめんなさいっ………………」






華蓮は駆け出した




屯所を抜けて、一気に道を駆け抜ける




遠くへ





誰もいない、どこか遠くへ





華蓮はもう、限界だった