殺したのは華蓮も含め試衛館派だというのに恨みもせず、責めもせず、ただ優しく微笑んでいた




「だから………逝かせてや?
この人が悲しむわけない

だってうちが一緒に逝ってあげるんやから」




「………っ駄目だよっ………
お願いだから、生きてよ………


嬉しかったんだよ、私の出生とか、壬生浪士組にいる理由とか何も聞かずに……仲良くしてくれて…………


そんな友達、初めてだったの……」





思い返せば、お梅との思い出はたくさんあって





───ほんま!?なら楽しみにしてんね!!





───うちもそれ聞いて、嬉しかったんよ!!





「こんなお別れの仕方なんて、嫌だよ」





心のどこかではわかっていたのかもしれない




芹沢が死んでしまえば、お梅がどんな行動をとることかくらい




だからこそ、止めたかった






「華蓮ちゃん、うちは後悔してへん

だから、華蓮ちゃんも後悔せぇへんように生きてや
大丈夫、壬生浪士組のみなさんがついてるやろ?」




お梅は精一杯の笑顔を見せた




「………うっ……でもっ、でも……」




「……心配せぇへんでも、華蓮ちゃんが想ってくれんのなら、いつでもそばにおるから

芹沢はんと一緒にな」








──グサッ




華蓮が止める隙もなく、お梅は自らの心臓に刀を突き立てた