自分らしくない───そうわかっていても、このやり切れない気持ちをどうしていいのかわからない
だからなのか、こんな言葉しか出なかった
「………覚えてもいないのに、謝らないで下さい」
本当は言いたいことが別にあったのに
抑えきれない気持ちと、発言の罪悪感で土方の顔を見ることができなかった
「蓮………?」
「そんなに謝るほど嫌だったんですか」
出た声は驚くほど低かった
土方を困らせるとわかっていても止められない
「……お前………………」
華蓮は俯いたまま続けた
「ごめんなさい、相手が私で
お酒に酔っていたんですもんね、もっと雰囲気漂う美人の方がずっと…………」
悔しいのか、悲しいのか体に力が入り、視界も歪んでいくのがわかった
恋愛経験がない華蓮にも、男女交際についての一般論くらいは知っている
男というものは、美人で艶っぽく、スタイルがよくて、口が上手い女の人が好きなのだ
少なくとも華蓮はそう認識しているし、自分はその類には入らないと思っている
「私、忘れますからっ
忘れますから、土方さんもそのままなかったことにして下さい」
ポトっと涙が膝に落ちた
それを隠すように華蓮は後ろを向く
本当は出て行きたかったが、華蓮は土方の小姓であるため、勝手には出て行けない
なぜ、自分は涙を流しているのか
どうしてこんなに胸が締め付けられるように痛いのか
あの時、温かい気持ちになったのは何だったのだろうか
「………っ………………」
