それから数日がたった
もうそこまで夏が来ていて、日が出ているうちはかなり暑かった
──ミーン、ミーン
それに加えて、この蝉の鳴き声のうるささったら、もうたまったものじゃない
蝉の鳴き声というのは、耳に入るだけで暑く感じさせるような気がした
「………暑い」
当たり前だが、この時代にクーラーや扇風機といった便利なものはない
今まで自分がどれほど恵まれた生活をしていたのか実感していた
──チャプ、チャプ
そんな暑い中、唯一嬉しい仕事は洗濯
冷たい水に手を通すだけでとても涼しく感じられた
華蓮がこの時代にやってきて約一ヶ月
もうすっかり壬生浪士組の一隊士として働いていた
──バサッ
夏は天気がいいため毎日洗濯できることが嬉しかった
華蓮に時間の猶予がある今日は全員の布団を覆う布──現代でいうシーツを洗うことになった
次々と真っ白な布が干されていく
「………なんとか終わった、かな」
全てをやり終え、すぐそばの縁側に腰掛けたとき
──ジャリ
「お前が新しく入った隊士か」
干していた庭の隅から威厳のある声がした
慌てて振り向くと、目の前には体がとても大きく貫禄のある大男が立っていた
───もしかして、この人は
「あ、はいっ、湊上蓮です」
我に返り、慌てて挨拶をした
その目や表情は土方とはまた別の恐ろしさを思わせる
みんなが近づくな、という理由がよくわかった
