「どんなに偽ってもあなたは女子です
僕はそんな蓮さんに刀を振らせることを、心のどこかで許していなかった……
あなたが人を斬るくらいなら、代わりに僕がその何倍も斬ろうと、そう思っていたんです……」
切なそうに空を見上げる横顔はどこか寂しそうに見えた
華蓮は自分を自分で守るため、ここを、ここの人たちを守るために刀を持つことを選んだ
しかし、その決断が、この人を少なからず苦しめていたのかもしれない────
そのことに改めて気づかされた
しかし、それでも─────
一度決めたことだ
曲げるつもりはなかった
「……沖田さんも土方さんも優しすぎるんです
確かにお二人の優しさは違いますが……
私、初めて人を斬ったとき、あまりの刀の重さに思わず刀を落としてしまいました
体は震えていて………」
いきなりの告白に沖田が目を見開くのがわかる
「それでも、今こうして振り返ると後悔だけはできないんです
あそこで刀を抜かなければ土方さんは確実に斬られていたでしょう
それに、初めて私に生きる道筋を与えてくれたみなさんと同じ重みを背負うことができたんです」
華蓮が沖田の方を向いたとき、ザッと風が吹いた
「もう、引き返せなくなりますよ……」
「大丈夫ですよ、沖田さんも同じでしょう?」
「はは……かないませんね」
華蓮と沖田は並んで、庭にある風に吹かれた大きな木を見上げていた
