黒色女子を個人授業

「お前も柏木ちゃんを見習えよ」

場の空気を見かねてか、隣に座っていた今井さんが小声でチャチャを入れてきた。

私だってできることなら上手く場を盛り上げたい。

それにしても年下を見習えと言われるとは。

心底自分が情けなくなる。



しばらくすると酒も回り、場も乱れつつ和みつつ、顔を合わせた当初に張り巡らされていた緊張感も次第に和らいでくる。

「お疲れ様、しっかり飲んでる?」

私の右隣の人がトイレに立った隙にドカッと割り込んできたのは、クライアントのリーダー株の男、矢追さん。

陰湿な目をしたこのオヤジは、完全に酒が回って、普段より一層凶悪な笑みを浮かべながら

「あっちの二人もすごく可愛いけどね、俺は君もなかなか気に入ってるんだよ」

と気持ち悪いことを囁きながら、私の身体に身を寄せてきた。