「……用がないなら、会社に戻りますよ?」

私が冷たく睨むと、大城さんはしばらく考えたあと

「じゃあわかった、おやつを食べに行こう」

また突拍子のないことを言い出して歩き始めた。


この人、何考えてるんだろう……?



今まで仕事で接することがなかった彼について、私が知っている情報といえば

①ルックスが女性社員に人気

②いつも余裕の笑顔

くらいか。


彼が担当するプロジェクトに配属されることが決まって数日。まだまともに話をしたことがなかった。

お互いどんな人物か探り探りのまま、二人でクライアントとの打ち合わせを終えた。

クライアント先からの帰り道、突然彼に「付き合って欲しい」と言われデパートに連れてこられ。

一体何に付き合えばいいのかもよく分からないまま今に至る。