黒色女子を個人授業

私たちは、駅に向かって並んで歩き出した。

「どうすれば大人の男性になれますかね?」

滝川くんがぽつりと呟いた。

「……別に私は、滝川くんに大人っぽさを求めてないんだけど」

「でも、そうじゃないと、花山さんの隣に並べない。
僕の何が足りないです? どうしたら、花山さんの理想とする大人の男性になれますか?」

横から滝川くんの真剣な眼差しを感じる。

彼の一生懸命さが嬉しかった。

それだけで十分なんだけど。


「そぉねぇ」

せっかくだから、少し意地悪を言ってみようか。

私は頭の中に彼への不満を並べる。

「まず、いちいちテンション高く騒がない。
それから、女性と歩くときは早足で歩かない! ヒール大変なんだからね」

「す、すみません」

彼は申し訳なさそうに頭を垂れる。