黒色女子を個人授業

私がオフィスビルを出ると、入り口の脇に滝川くんの姿が見えた。

あれ、おかしいな。随分と前に帰ったと思ったけど。


滝川くんは私の姿を見つけると、小走りで駆け寄ってきた。

私は慌てて涙の軌跡を拭う。彼に泣いてる顔なんて見せられない。


「お疲れ様です。花山さん」

「お疲れ様。こんな時間までどうしたの……?」

「渡したいものがあったので」

滝川くんは手に持っていた大きな紙袋から、真っ白なバラの花束を取り出した。

「はい、これ。ハッピーバースデー」

そう言って、私にそれを差し出した。

「さっき、天野さんと話してたでしょう?
すみません、僕知らなくて。ちゃんと当日にお祝いしたかったんですけど」