黒色女子を個人授業

意外に頑張れるもので、集中力を切らして時計を見るころには、辺りにひと気がなくなっていた。

もうこんな時間。

私は慌しくPCを閉じ、帰りの準備を済ませた。

出張帰りは荷物が多くて困る。ガラガラと小ぶりなトランクを引きずりながら、オフィスを出た。


ふと休憩スペースの横を通ると、見覚えのある後ろ姿がソファにもたれてぼんやりとしていた。

今井さんだ。考え事でもしているのだろうか?


珍しいな。

普段は、ゆっくり休む暇があったら、さっさと終わらせて帰りたがるくせに。


声をかけようか考えて、二の足を踏む。

あれから、2人きりで話をするとき、どんな顔をすればいいだろうかと、距離を計りかねていた。


が、しばらく眺めていても微動だにしないので、さすがにおかしいと思い、彼の元へ近寄る。

もしかして寝てる? いや、まさか。

私は意を決して、彼の背中に声をかけた。