黒色女子を個人授業

夕方、私たちは自社へと戻った。


「花、お疲れ様」彩香が暖かく私たちを迎えてくれた。

「はい、お土産」私は彼女に紙袋を手渡す。


「花、ちゃんと誕生日、お祝いしてもらった?」

何も知らない彼女は、私に純粋な笑顔を向ける。

「ああ、うん。一応ね」

私は曖昧に微笑んだ。


彩香にこの3日間の出来事を話したら何て言うだろう。

真面目な彼女のことだ、きっとそんな関係からは足を洗うように、必死に私を説得するだろう。

下手したら滝川くんみたいに、今井さんに怒鳴り込みに行くかもしれない。

ああ、面倒くさい。

彩香には絶対知られないようにしないと。


私は適当に彼女をあしらって、デスクに向かった。


細かい仕事は来週やればいい。

今日はざっくりと終わらせて、さっさと帰ってしまおう。

土日を挟んだら、私の気持ちも少し落ち着くかもしれない。