黒色女子を個人授業

「これ……」

「誕生日なんだろ?」

今井さんがぶっきらぼうに言った。


もしかして

帰りが遅かった理由って

「……これを買いに行ってたんですか?」


彼は少し恥ずかしそうに頭をかく。

「つっても、この時間だし、店もやってなかったから、コンビニのケーキで悪いけど」

手を腰に当てた彼は嘆息すると、ケーキに視線を落とす私の顔を覗き込んできた。

「誕生日にケーキのひとつぐらい、食いたいだろ?」



この人は。

どうしてそうやって。


不覚にもまた、胸がじわっと熱くなる。


誰も祝ってなんてくれないと思ってた。

今日の夜は、一人でひっそりと過ごそうと思ってたのに。

どうしてこんな、不意打ちするの?