黒色女子を個人授業

「今井さん、ちゃんと美味しい手羽先の店、調べときましたから。
後でみんなで食べにいきましょうね」

そう言って、滝川くんが後ろの座席に座る今井さんに声をかけた。

「……おう」

半分まどろみの中にいる今井さんの返事は、酷くだるそうだった。


「今井さん、元気ないっすね」

滝川くんが不思議そうに呟く。

「夕べ、下の子の夜泣きが激しくて眠れなかったんですって」

私は今井さんの代わりに説明した。

「そっかぁ。子どもがいると大変なんだなぁ」

まだ子どもなんて考えたこともないであろう滝川くんには、他人事のようだ。

「……そうね」