黒色女子を個人授業

ほどなくして、私の家のマンションの前に辿り着いた。

「わざわざありがとうございました」

「ああ。じゃ、明日」

彼は短い言葉を交わすと、私に背を向ける。


「あの、今井さん」

私は後ろ姿に声をかけた。

「ん?」

「その、上がっていきます?」

別に、特に何か目的があって言ったわけじゃない。

なんというか、礼儀だと思ったから?

だって送ってもらったわけだし、お茶の一杯くらい出さないと失礼かなあとか。