黒色女子を個人授業

彼が絆創膏を張り終えて、立ち上がった。

私は熱を帯びた頬を隠すようにうつむきながら

「ありがとうございます」と小さく呟いた。

「……ああ」

彼はぶっきらぼうに頷く。


そうか、彼だからか。

こんなに緊張するのは。

私が彼を見上げると、街灯の明かりが逆行になっていて、どんな表情かうかがい知ることができなかった。

反対に、私の顔は良く見えているのだろう。

なんだかずるい。


「歩けるか?」

「はい」

気使う彼の言葉に後押しされて、私はゆっくりと歩き出す。


好きな人に触れられるって、こんなに恥ずかしいものだったんだ。

落ちる、落ちないのゲームのような恋愛ばかりしてきたから。

こんな気持ちすっかり忘れていた。