黒色女子を個人授業

「だったら花、余計オススメしたい人がいるんだけど」

「本当? だれだれ?」


私たちが物陰でキャッキャッと騒いでいると

「おい、お前らそこで何してんだよ」

悪態をつく人影がひとつ。


振りかえると、その人物はため息をつきながら私たちを見下ろしていた。


「今井さん。会議終わったんですか?」

「ああ。全く、くだらない会議に長い時間かけやがって」

舌打ちする今井さん。今日も愚痴全開だ。

「天野、来い。
打ち合わせの結果を聞いてやる」

そう言って奥のミーティングスペースを指差すと、有無を言わさず歩き始めた。

「何しろ俺には時間がない。
3分で完結に報告しろ」

「今井さん、それは無理ですから……」

私が慌てて追いかけると、花が書類片手に声を張り上げた。

「今井さん! こっちの書類も見てくださいよ!」

「ああ、あとでな!」

後回しにされた花は、ブスッとむくれて席に着く。