黒色女子を個人授業

私がオフィスに戻ると、「彩香ー、聞いてよー」花が苛々とした様子で話しかけてきた。

「今井さんがまたあっちのプロジェクトに拘束されちゃって。
いい加減こっちのプロジェクトの企画にも目を通して欲しいのに」

書類をバサバサと振りながら不満をぶちまける。

「さすがにマネージャーともなると、忙しそうで大変だね」

出世した今井さんは、複数のプロジェクトを管理しなければならなくなり、私たちに構う時間が少なくなった。

「あの人、期限ギリギリに追い詰められないと動かないんだから。
夏休みの宿題じゃあるまいし、もうちょっと計画的にやって欲しいわよね」


そんなことを話していると、ふと視界の中にこちらを向いている人影を見つけた。

げ。

滝川くんが見てる。


彼は少し離れた席からこちらを凝視していた。