黒色女子を個人授業

「結局、プロジェクトは落ち着いたんですか」

ビールを喉に流し込む俺に

「まだバタバタしてるわよ。でもーー」

彼女はやれやれとため息をつきながらも、やり切った顔をして言った。

「元々私はヘルプだし、期間の限られたレンタル移籍だったからね。
今も残業している天野さんたちを残して帰るのは気が引けたけど、もう私に出来ることは何もないんだよね」

そう言ってぐびぐびとグラスを傾ける彼女の姿に、もう心配はいらないんだなって、なんだかちょっとホッとした。


「……いろいろあって、大変そうでしたね」

俺が苦笑いを浮かべると、彼女はそれはもう大変でしたといわんばかりに大きく大きく頷いた。

「本っ当に。大変だったんだから。
大城さんが抜けちゃったときはどうしようかと思った。
全っ然仕事がまわんなくなっちゃって、久しぶりに徹夜なんかしたよ」

今となれば笑い話。宮間さんはそれすらも楽しそうに語る。

「でも逆境になると、人間って強くなるのね。
今井さんはすっかりリーダーが板についてきたし。
花山さんもグイグイ自己主張するようになったし。
天野さんは、自分で引っ張って行かなくちゃって気持ちが芽生えたみたい。
すごく頼もしくなったわよ。
きっと、今まで守ってくれてた人が突然いなくなったから、覚悟を決めたのね」