黒色女子を個人授業

彼は意を決したように立ち止まると、私の方に向き直った。

「今月いっぱいで、会社を辞めようと思う」

「……え?」

私は足を止めた。


「友人と一緒に起業する。
この会社を辞めて、一から自分の力を試してみたいと思う」

思ってもみなかった告白に、私は何も言えずに立ち尽くす。


「ずっとやってみたいとは思っていたんだ。
成功するかはわからないけど、せっかくのチャンスだから」

彼は呆然とする私を正面から見据えて

「君じゃないけど、ただひたすらに、がむしゃらに、仕事に取り組んでみようと思う」

そう言って微笑んだ。